新NISAの運用シミュレーション、月3万、5万、10万円積み立てでいくらお金が増える?
2023.11.17

新NISAの運用シミュレーション、月3万、5万、10万円積み立てでいくらお金が増える?

【この記事を読んでわかること】

  • 2024年の新NISAは投資可能期間の恒久化、非課税期間の無期限化、毎年の投資上限額の増加など、より使いやすい制度に生まれ変わる
  • 新NISAで毎月3万円・5万円・10万円ずつ積立投資して、年3%の利益が得られたら、50年後の資産総額は元本1,800万円の2倍以上に増えている計算
  • 市場は必ず値上がりするとは限らないが、新NISAで長期・積立・分散投資を続けることで、堅実にお金が増やせる

投資で得られた利益にかかる税金がゼロになるNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)の制度が2024年から「神改正」。これまでよりも使いやすい新NISAに生まれ変わります。そうなると気になるのはやっぱり、新NISAでいくらお金が増えるのか、ですよね。そんなみなさんのために、今回は新NISAの運用シミュレーションをご紹介します。

新NISAの改正点まとめ

2023年までのNISAには、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類があります。しかし、これらの現行NISAで新規に投資できる期間は2023年末まで。2024年からは新NISAを利用した投資ができるようになります。

 

新NISAは、現行のつみたてNISAと一般NISAを合わせたような制度。主な改正点は、次のとおりです。

 

・投資可能期間が恒久化された

→2024年以降、いつからでもスタートできる!

・非課税期間が無期限になった

→新NISAでの投資はいつまでも非課税!

・年間投資枠がつみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円に拡大された

→毎年の投資金額が大きく増えた!

・つみたて投資枠と成長投資枠が併用できる

→現行のつみたてNISAと一般NISAは併用できなかったが、新NISAでは併用できる!

・生涯にわたる投資上限(生涯投資枠)が設定された

→一人あたり上限1,800万円(うち成長投資枠1,200万円まで)非課税に!

・ 生涯投資枠に空きが出た場合、翌年以降に再利用できるようになった

→売却の翌年に投資元本ベースで復活し、再び投資できる!

 

詳しくは、以前の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

新NISAのシミュレーション、月3万円・5万円・10万円の積み立てでいくら増える?

新NISAのつみたて投資枠では、年120万円まで投資ができます。また、新NISAの生涯投資枠の上限は1,800万円。生涯投資枠は、つみたて投資枠だけで1,800万円使い切ることができます。

 

つみたて投資枠では、金融庁が定める基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)に積立投資を行います。仮に、毎月3万円・5万円・10万円ずつ投資して、年3%の利益が得られた場合、50年後の資産総額は下のグラフのようになります。

 

なお、月5万円ずつだと30年、月10万円ずつだと15年で投資元本が新NISAの生涯投資枠の1,800万円に達してしまうため、以後は新規の投資をせず、投資した資産の運用だけを続けた場合として計算しています。

新NISAで年3%の利益が得られた場合

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(株)Money&You作成



月3万円ずつ50年にわたって投資し、年3%ずつ増やせた場合、資産合計は4,168万円となる計算です。同様に月5万円だと資産合計は5,305万円、月10万円だと6,478万円に増えています。投資元本が上限の1,800万円に達すると、いったん資産の増え方は緩やかになります。しかし、運用を続けていると、徐々に資産の増えるスピードが上がっていきます。運用益を再び投資することで得られる複利効果が、時間が経つにつれてどんどん大きくなるためです。

 

「50年はさすがに長い」という方のために、毎月の投資額が1万円から10万円、運用期間が10年・15年で、利回りが年1%から10%だった場合の資産総額の早見表も用意しました。ぜひ参考にしてください。

掛け金・運用利回りから資産総額がわかる表(10年)

  運用利回り
1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10%
毎月の積立金額 1万円 126万円 133万円 140万円 147万円 155万円 164万円 173万円 183万円 194万円 205万円
2万円 252万円 265万円 279万円 294万円 311万円 328万円 346万円 366万円 387万円 410万円
3万円 378万円 398万円 419万円 442万円 466万円 492万円 519万円 549万円 581万円 615万円
4万円 505万円 531万円 559万円 589万円 621万円 656万円 692万円 732万円 774万円 819万円
5万円 631万円 664万円 699万円 736万円 776万円 819万円 865万円 915万円 968万円 1,024万円
6万円 757万円 796万円 838万円 883万円 932万円 983万円 1,039万円 1,098万円 1,161万円 1,229万円
7万円 883万円 929万円 978万円 1,031万円 1,087万円 1,147万円 1,212万円 1,281万円 1,355万円 1,434万円
8万円 1,009万円 1,062万円 1,118万円 1,178万円 1,242万円 1,311万円 1,385万円 1,464万円 1,548万円 1,639万円
9万円 1,135万円 1,194万円 1,258万円 1,325万円 1,398万円 1,475万円 1,558万円 1,647万円 1,742万円 1,844万円
10万円 1,261万円 1,327万円 1,397万円 1,472万円 1,553万円 1,639万円 1,731万円 1,829万円 1,935万円 2,048万円

(株)Money&You作成

掛け金・運用利回りから資産総額がわかる表(15年)

  運用利回り
1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10%
毎月の積立金額 1万円 194万円 210万円 227万円 246万円 267万円 291万円 317万円 346万円 378万円 414万円
2万円 388万円 419万円 454万円 492万円 535万円 582万円 634万円 692万円 757万円 829万円
3万円 582万円 629万円 681万円 738万円 802万円 872万円 951万円 1,038万円 1,135万円 1,243万円
4万円 776万円 839万円 908万円 984万円 1,069万円 1,163万円 1,268万円 1,384万円 1,514万円 1,658万円
5万円 971万円 1,049万円 1,135万円 1,230万円 1,336万円 1,454万円 1,585万円 1,730万円 1,892万円 2,072万円
6万円 1,165万円 1,258万円 1,362万円 1,477万円 1,604万円 1,745万円 1,902万円 2,076万円 2,270万円 2,487万円
7万円 1,359万円 1,468万円 1,589万円 1,723万円 1,871万円 2,036万円 2,219万円 2,422万円 2,649万円 2,901万円
8万円 1,553万円 1,678万円 1,816万円 1,969万円 2,138万円 2,327万円 2,536万円 2,768万円 3,027万円 3,316万円
9万円 1,747万円 1,887万円 2,043万円 2,215万円 2,406万円 2,617万円 2,853万円 3,114万円 3,406万円 3,730万円
10万円 1,941万円 2,097万円 2,270万円 2,461万円 2,673万円 2,908万円 3,170万円 3,460万円 3,784万円 4,145万円

(株)Money&You作成

もしも20年前から投資していたらいくら増えている?

しかし、投資には元本保証はありません。金融商品の価格は日々上下していて、値上がりすることもあれば値下がりすることもあります。さらに、リーマンショック、コロナショック、ウクライナショックのような出来事があると、暴落してしまうこともあります。市場が暴落しているときに無傷でいられる金融商品は、まずありません。

 

では、もしも20年前から投資していたら、資産はどうなっているでしょうか。全世界株価指数「MSCI ACWI」と国内株価指数「TOPIX」に2003年10月から2023年9月までの20年間、毎月5万円ずつ投資をした場合の推移を見てみましょう。

なお、株価指数自体に直接投資することはできません。実際は投資信託やETFなどを用いて投資をする必要がある点にはご留意ください。

MSCI ACWIとTOPIXに月5万円ずつ投資した場合の資産総額の推移(2003年10月1日〜2023年9月30日)

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(株)Money&You作成


20年間の投資元本の合計は1,200万円です。それに対して、

・毎月5万円ずつMSCI ACWIに投資した場合…資産総額3,007万円

・毎月5万円ずつTOPIXに投資した場合…資産総額2,191万円

になっています。全世界株式のほうが高いリターンが出ています。

 

しかし、グラフをよく見ると、MSCI ACWIやTOPIXが積立元本を下回る「元本割れ」を起こしていることがわかります。とくに2008年9月からは、積立元本を大きく下回っています。これは、米国の投資銀行が破綻した「リーマンショック」の影響です。もっとも大きく元本割れしたのは、MSCI ACWIが2009年2月で143万円、TOPIXは2012年5月で172万円の評価損となっています。

 

暴落は、定期的に起こります。そして今後も起きることでしょう。ひとたび暴落が起きたら、回復するのに3〜5年はかかります。したがって、必ずしも年3%〜5%の運用は保証されません。


しかし、それでも新NISAで長期・積立・分散投資を続けていると、景気回復を伴いながら株価も回復していきます。実際、MSCI ACWI は2012年12月、TOPIXは2013年4月からプラスに転じ、以後は元本より大きく増やせています。


もちろん、将来の確実な値上がりを保証できるものではありませんが、長期・積立・分散投資を続けることでお金が増やせる可能性が高い、ということができるでしょう。

 

新NISAの運用シミュレーションでいくらお金が増えるのか、いくつかの条件をもとにご紹介しました。新NISAを利用すれば、長期間にわたって利益にかかる税金をゼロにできるため、お金を堅実に増やせるでしょう。長く続けるには、早く始めることが何より大切ですので、もしNISA口座をまだ持っていないのであれば、まずは金融機関への口座開設から始めましょう。

頼藤 太希

頼藤 太希(よりふじ たいき)

経済ジャーナリスト
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し、現職。WEBメディア「Mocha」やYouTub「Money&YouTV」を運営。『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計100万部超。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。

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  • 口座振込の場合は300円になります。ご契約者さま向けサービスであるため、将来予告なく変更または中止される場合があります。
  • 健康支援金の支払は20歳から69歳までとなり、主契約の保障が継続されている場合でも70歳以降の支払はありません。