出産・育児関連で届け出すればもらえるお金7選
2022.08.05

出産・育児関連で届け出すればもらえるお金7選

国や自治体は、私たちの暮らしを支えるさまざまな給付金・助成金を用意しています。なかでも出産・育児関連の給付金・助成金は種類も多く、保障も充実しています。今回は、出産育児関連で届け出すればもらえるお金を7つご紹介。使えるものはどんどん使いましょう!

出産・育児関連でもらえるお金

出産・育児関連でもらえるお金1:妊婦健診費用助成

妊婦健診費用助成は、妊婦の健診費用を補助するお金です。妊婦が出産までに妊婦健康診査(妊婦健診)を受診する回数は14回程度が望ましいとされています。妊婦健診の費用は自治体や健診の内容によっても異なるのですが、おおよそ1回5,000円~1万円程度、総額で10万円前後かかります。そこで、どの妊婦にも安心して妊婦健診を受診してもらうよう、自治体が妊婦健診費用を助成しています。

【妊婦健診費用助成の費用の例】

  助成上限額
妊婦健康診査受診票1回目 10,850円
妊婦健康診査受診票2~14回目 5,070円
妊婦超音波検査受診票1回 5,300円
妊婦子宮頸がん検診受診票1回 3,400円

東京都練馬区の例より(株)Money&You作成


妊婦健診費用助成は多くの場合、お住まいの市区町村で妊娠したことを届けて母子手帳を交付される際、一緒に助成券の形で交付されます。妊婦健診を受ける際に、医療機関に助成券を提出すれば、健診の費用がかからなかったり、安く済んだりします。健診助成上限額を超える分は自己負担ですし、助成の対象外となる診察もあります。とはいえ、総額10万円近い支出が抑えられるのですから、忘れずに利用しましょう。


なお、助成券はなくすと再発行されないので大切に保管を。引っ越した場合には、引っ越し先の自治体で引っ越し前の自治体の助成券と交換してくれます。

出産・育児関連でもらえるお金2:出産育児一時金

出産育児一時金は、出産するときに健康保険・国民健康保険から受け取れるお金です。


出産育児一時金の金額は、基本的に42万円(産科医療補償制度を導入していない医療機関を利用している場合は40万4,000円)です。出産費用はおおよそ50万円程度かかりますが、出産育児一時金を受け取ることで、その大部分をカバーできます。


出産育児一時金の対象となる人は、妊娠4カ月(85日)以上で出産した人。仮に早産・流産・死産・人工中絶などとなった場合にも受け取れます。また、双子を妊娠した場合には2人分、84万円受け取れます。


出産育児一時金には、医療機関などが本人に変わって健康保険に費用を請求する「直接支払制度」があります。直接支払制度を利用すれば、42万円は直接病院に支払われるので、あとは差額を支払うだけにできます。


直接支払制度に応じていない病院でも「受取代理制度」を利用することで、42万円を直接病院に支払ってもらうことが可能。自分のお金を持ち出さなくて済みます。

出産・育児関連でもらえるお金3:出産手当金

出産手当金は、産休中の給料を補ってくれる制度です。


会社で働く女性が出産する際には、産前6週間(42日)+産後8週間(56日)の98日間の「産休」が認められています。とくに産後の6週間は、法律で必ず休まなければいけないと定められています。


しかし、会社を休むことは認められているのですが、会社が給料を支払う義務はないため、出産のために収入が減ってしまう可能性があります。

会社から給料が出ない場合や、給料が出ても出産手当金の金額より少ない場合に、出産手当金が収入を補ってくれる、というわけです。


出産手当金の金額は、「支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額を30日で割り、その金額に2/3を掛けた金額」です。なお、標準報酬月額とは、給与などから算出される、社会保険料を簡単に計算するための金額です。


仮に12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額が20万円だった場合、支給日額は20万円÷30日×2/3=4,444円(小数点第1位四捨五入)となります。産休を98日とった場合、4,444円×98日分=43万5,512円がもらえます。


出産予定日より出産が遅れた場合は産休の日数が増えるため、支給額が多くなります。逆に、出産が早まった場合は産休の日数が減るため支給額が少なくなります。


ただし、出産手当金の申請は出産後、56日の産休が終わってから行うのが一般的。申請後、1〜2カ月後に指定の口座に振り込まれます。ですので、産休中の生活費はあらかじめ確保しておく必要があることは押さえておきましょう。

出産・育児関連でもらえるお金4:育児休業給付金険

育児休業給付金は、会社員が子育てのために育休を取得している間に雇用保険からもらえる給付金です。育休中はほとんどの場合、会社から給料が支給されません。しかし、育児休業給付金があれば、安心して子育てができます。


育児休業給付金で1カ月にもらえる金額は、

 

  • 育休開始から6カ月(180日)以内:休業開始時賃金×支給日数(30日)×67%
  • 育休開始から6カ月(180日)以降:休業開始時賃金×支給日数(30日)×50%

  • となっています。育休開始から6カ月を境に、支給される金額の割合が変わります。

    【育児休業給付金のイメージ】

    022_img_01

    (株)Money&You作成



    休業開始時賃金とは、育休開始前6カ月間の給料の総支給額を180で割って出した1日分の給料のこと。支給日数は原則30日です。


    たとえば、育休開始前6カ月間の給料の総支給額が120万円だった場合、休業開始時賃金は120万円÷180日=6,666円(1円未満切り捨て)です。このとき、毎月の育児休業給付金の金額は、


    • 育休開始から6カ月以内:6,666円×30日×67%=13万3,986円
    • 育休開始から6カ月以降:6,666円×30日×50%=9万9990円

    • となります。


      育児休業給付金は原則として、子どもが1歳の誕生日を迎える前日までが支給対象ですが、両親がともに育休を取得する「パパ・ママ育休プラス」を利用すると、子どもが1歳2カ月になるまで育児休業給付金を受け取ることが可能。また、保育所などに申し込んでも入れないなどの事情がある場合は、最長で2歳まで延長可能です。

      出産・育児関連でもらえるお金5:子どもの医療費助成

      子どもの医療費助成とは、都道府県・市区町村といった自治体が子どもの医療費を補助してくれる制度です。健康保険では、子どもが医療機関を受診する際、通常は2割(義務教育就学前)または3割の医療費が本来自己負担です。しかし、各自治体の子どもの医療費助成を利用することで、通院・入院時の医療費が無料になったり、負担が減ったりします。


      子どもの医療費助成の補助内容は、自治体によって異なります。多くは15歳年度末(中学校卒業)、18歳年度末(高校卒業)までとなっていますが、より短い(長い)自治体もあります。また、子どもの医療費助成を受けるにあたって、所得制限がある場合もありますので、詳細はお住まいの自治体でご確認ください。

      出産・育児関連でもらえるお金6:児童手当

      児童手当は、0歳から中学生までの子どもがいる世帯がもらえるお金です。


      児童手当でもらえる金額は、


      • 0歳~3歳未満までの子 月額1万5,000円
      • 小学校卒業までの子 月額1万円(第3子以降は1万5,000円)
      • 中学校卒業までの子 月額1万円

      • ただし、児童手当には所得制限があります。児童手当の所得制限は、扶養家族の数で異なります。

        【児童手当の所得制限】

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        内閣府のウェブサイトより



        児童を養育している人の所得(収入)が、①の所得(収入)を超える場合、児童手当は減額され、一律で5,000円になります。また、②の所得(収入)を超える場合は、2022年10月支給分からは児童手当が支給されなくなります。

        出産・育児関連でもらえるお金7:自治体ごとの育児支援

        今回紹介した制度以外にも、自治体ごとにさまざまな育児支援制度が用意されています。


        たとえば東京都千代田区「誕生準備手当」では、区内に住む方が妊娠した場合(妊娠20週以降)、一時金として4万5,000円が支給されます(流産・死産でも支給/多児妊娠・出産でも同額)。


        また、兵庫県明石市では第2子以降の保育料が完全無料となっているほか、0歳児の家庭に紙おむつや粉ミルクなどを届ける「おむつ定期便」のサービスもあります。


        多くは、市区町村役場の窓口やウェブサイト、配布される広報などに案内がありますので、ときどきチェックして、自分が利用できる制度を確認してみることをおすすめします。どの制度も、申請しなければもらえませんので、見逃すことのないようにしたいですね。

        働き方によって受け取れる金額が異なる

        妊婦健診費用助成、出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付金、子どもの医療費助成、児童手当、自治体ごとの育児支援と、7つのもらえるお金を紹介してきました。


        このうち、出産手当金と育児休業給付金は、健康保険に加入している人(会社員・公務員)しかもらえません。出産手当金はそもそも健康保険独自の制度で、国民健康保険にはありません。また育児休業給付金は育休が終わったあとに会社員・公務員として働く方が前提となっています。自営業やフリーランスとして働く方や専業主婦の方には、出産手当金と育児休業給付金がないので、出産・育児に際して受け取れる金額が減ることを押さえておきましょう。

        まとめ

        出産・育児がスタートするに伴い、生活ががらっと変わる方がほとんどです。収入が減ったり、支出が増えたりという変化も、もちろんあります。出産・育児をするにあたって、一度自分がどのようなお金をいくらもらえるのか、ぜひ確認しておいてくださいね。

高山 一恵

高山 一恵(たかやま かずえ)

Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設⽴。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を⾏ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書は『はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂)、『税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)など多数。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。

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  • 口座振込の場合は300円になります。ご契約者さま向けサービスであるため、将来予告なく変更または中止される場合があります。
  • 健康支援金の支払は20歳から69歳までとなり、主契約の保障が継続されている場合でも70歳以降の支払はありません。