医療保険にはどんな種類があるの? 種類別に解説
2021.12.17

医療保険にはどんな種類があるの? 種類別に解説

病気やケガによって入院や手術をすることになると、身体の心配はもちろんですが、費用についても心配になります。お金については、医療機関に払う治療費だけではなく何かと費用がかさむものです。支出は増える一方、仕事を休めば収入が減ることもあるでしょう。


そのため、もしもの場合に困らないよう、保険で準備しておきたいと思う人も多いのではないでしょうか。病気・ケガの備えであれば、医療保険です。ただ、さまざまな医療保険がありますので、選ぶには基本的な知識も必要です。
そこで今回は、医療保険を種類別にメリット・デメリットも合わせて解説します。

医療保険の6つの種類

医療保険の基本的な保障は、病気やケガが原因で入院や手術をしたら、給付金が受け取れるというものです。
そのうえで、医療保険の種類によって違いがあります。

医療保険の種類その1:定期医療保険

入院や手術の保障を受けられる期間のことを保険期間といいます。この保険期間があらかじめ定められている医療保険が、定期医療保険です。
たとえば、「契約から10年間」という年数で決まっているものや、「60歳まで」という年齢で決まっているものがあります。

医療保険の必要性は、貯蓄がどのくらいあるかによって影響されます。貯蓄がたくさんあって、入院・手術をしても金銭的には困らない、という場合は医療保険に加入しないという選択肢もあります。
定期医療保険は、貯蓄がしっかりできるまでの間だけ、医療保険で備えておきたいというニーズに応える保険といえるでしょう。

○定期医療保険のメリット

保険期間が定まっているので、毎月支払う保険料は比較的安い保険が多いです。特に、健康な若い世代の保険料はリーズナブルです。
とりあえず入っておく、ということもしやすいでしょう。

○定期医療保険のデメリット

保険期間が終了したら保障が切れてしまいます。自動更新であれば保障が切れる心配はありませんが、保険料は更新時の年齢で再計算されますので、高くなることが一般的です。

医療保険の種類その2:終身医療保険

保険期間が終身、つまり保障が一生続くのが終身医療保険です。病気・ケガは高齢になるほどリスクが高まりますが、定期医療保険では高齢になった場合の保険料は高くなってしまいます。
終身医療保険は、加入時の年齢で保険料が決まり、その後は保険料が上がることはありません。

高齢になった頃には貯蓄ができているはず、と思っていても、計画どおりにいかないこともあります。また、貯蓄は使えばなくなってしまいます。高齢で収入が少なくなると、切り崩した貯蓄を再度増やしていくことは難しくなるかもしれません。
一生涯の保障を確保しておきたい人には、終身医療保険が向いているでしょう。

○終身医療保険のメリット

保険期間が終身なので、保障が一生涯なくなりません。

○終身医療保険のデメリット

保障が一生涯続くので、保険料は定期医療保険より高くなります。

なお、長い一生の間には、自分で給付金請求の手続きができない状態になることも考えられます。そんなとき、家族が代わりに手続きできるよう、あらかじめ「指定代理請求人」を決めておくことをおすすめします。

医療保険の種類その3:女性保険

女性保険といわれる保険は、女性特有の病気の保障が手厚い保険です。たとえば、子宮内膜症や子宮筋腫、乳がんなどの場合には、入院給付金の増額があったり、一時金が出たりします。

実際に入院・手術したときの費用は、女性特有の病気だからといって高くなるわけではありませんので、どんな病気の場合も保障が手厚いほうが安心です。
しかし、保障が手厚ければ、その分保険料も高くなります。毎月支払う保険料と保障の内容とのバランスをとって加入するといいでしょう。

○女性保険のメリット

女性特有の病気の保障が手厚くなります。すべての病気で保障を手厚くすると保険料が予算オーバー、という場合の選択肢になります。

○女性保険のデメリット

保障を手厚くした分、保険料が高くなります。
また、女性特有の病気とする対象が、保険によって異なる場合があるので注意が必要です。心配な病気が対象になっているか、しっかり確認する必要があります。

医療保険の種類その4:貯蓄型医療保険

貯蓄型医療保険は、保険という保障を持ちながら貯蓄もできる医療保険です。
一定の年数ごと、あるいは一定の年齢でお金を受け取ることができます。保険会社から保険金としてお金が振り込まれると、ボーナスみたいでうれしいですね。

保険料は毎月自動的な支払いになっているうえ、解約して現金化するのも貯蓄ほど簡単にできませんので、貯蓄がなかなかできない人にはおすすめです。
貯蓄性から見ると決して有利とは言えませんので、あくまで続けることを重視した方法と位置付けて考えるといいでしょう。

○貯蓄型医療保険のメリット

貯蓄型医療保険の貯蓄は、保険を続けていたらいつの間にか貯まっていた、というしくみです。貯蓄が苦手でも、まとまったお金ができる点がいいですね。

○貯蓄型医療保険のデメリット

「医療保険+貯蓄」と考えられますので、保険料は医療保険だけのときより高くなります。
また、見直しをしにくくなってしまいます。貯蓄分のお金を受け取る前に解約すると損になると、見直しのタイミングを逃してしまいかねません。

医療保険の種類その5:限定告知型医療保険

医療保険に加入する際には、健康状態を保険会社に知らせる必要があります。これを告知といいます。告知には、最近の健康状態のほか、過去にかかった病気やケガのことなども含まれます。

保険は相互扶助のしくみですので、健康状態によっては入院・手術のリスクが高く公平性が保たれないと判断され、保険に加入できない、あるいは条件が付く場合があります。しかし、そのような人こそ保険のニーズがあります。

限定告知型医療保険は、告知をする内容が通常の医療保険よりも少なく限定的です。限定されている告知内容に当てはまらなければいいので、多くの人が加入できます。
加入の条件が緩和されているので、引受基準緩和型医療保険ともいいます。

○限定告知型医療保険のメリット

持病がある人でも加入しやすい医療保険です。また、いままで過去の病歴から医療保険に加入できなかった人も加入しやすいでしょう。

○限定告知型医療保険のデメリット

保険料が割高です。また、限定告知型医療保険に加入する前からかかっていた病気による入院・手術については、加入から一定期間の保障が半額になります。
通常の医療保険に条件付きで加入したほうが保障内容は充実するケースもあるので、加入を検討する場合は複数の医療保険を比較すると、納得の選択ができます。

医療保険の種類その6:無選択型医療保険

告知がいらない医療保険もあります。保険の加入について、保険会社が健康状態によって選ぶことをしませんので、無選択型医療保険といいます。
過去にどんな病気・ケガをしていても、現在治療中でも加入できますが、保障の内容には制約があります。

たとえば、契約してから一定期間内は、病気による入院は保障の対象にならなかったり、保障される入院の日数が短かったりします。また、筆者が知る限り本稿執筆時点では終身保障のタイプはありません。
手厚い保障とはいきませんので、貯蓄などとあわせて総合的に備えておくと安心です。

○無選択型医療保険のメリット

告知がいらないので、基本的にどなたでも加入できます。

○無選択型医療保険のデメリット

保険料は割高、保障には制限があります。

自分はどの医療保険に入るべき?

医療保険とひと口にいっても、さまざまな種類があることがわかりました。
では、どの保険に加入したらよいのでしょうか。
ポイントは、保険期間・保障内容と保険料のバランスです。保険料は、年齢、健康状態、保障内容、保険会社によって異なります。

医療保険 保険期間 女性特有の病気
に手厚い
貯蓄ができる 告知
定期医療保険 定期 × × 必要
終身医療保険 一生涯 × × 必要
女性保険 定期・一生涯 × 必要
貯蓄型医療保険 定期・一生涯 × 必要
限定告知型医療保険 定期・一生涯 × × 限定的
無選択型医療保険 定期 × × 無し

まとめ

医療保険は長きにわたって加入するものです。検討する際には、複数の保険を比較検討し、自分にピッタリの医療保険を選んでください。

タケイ 啓子

タケイ 啓子(たけい けいこ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)。
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳のときに乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー